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新製品レビュー

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新製品レビュー
公開日:2014/07/23

チノン Bellami HD-1 Dマウント・オールドシネレンズ 実写編

photo & movie & text 大浦タケシ
「チノン Bellami HD-1 機能編」に続いて実写編です。

シュナイダー・クロイツナッハ CINEGON 5.5mm F1.8

シュナイダー・クロイツナッハ CINEGON 5.5mm F1.8

シュナイダーは、カールツァイスと並ぶドイツ光学メーカーの雄。真面目に光学特性を追い求めたレンズは定評あるものばかりだ。本レンズも例外ではなく、小さなDマウントレンズでありながらその描写特性の素晴らしさには改めて唸らせられる。描写は、開放絞りでは柔らかいながらもピントの芯のある描写、1段絞ると解像感が飛躍的に増しコントラストも締まる。現代のレンズに通ずる安定した描写を楽しめるレンズである。(製造年代1950年代)







F1.8 1/5000 ISO160 +0.7
F2.8 1/3000 ISO160 +0.7

F4 1/1200 ISO160 +0.7



ズノー ZUNOW-ELMO Cine 13mm F1.1

ズノー ZUNOW-ELMO Cine 13mm F1.1

日本を代表するDマウントレンズのひとつ。今は無きズノー光学工業が製造した。開放絞りの描写はユルく、非点収差によるグルグルボケが強くでる。絞りf4ほど絞ると見違えるようなキレのよさとコントラストの高い描写となる。Dマウントレンズは短い焦点距離ゆえにピント合わせしなくてよいように思えるが、意外にも被写界深度は浅く、そのため正確にピントを合わせるようにしたい。(製造年代1950年代)








F1.1 1/7000 ISO160 +0.3
F1.4 1/5000 ISO160 +0.3


F2 1/2500 ISO160 +0.3
F2.8 1/1200 ISO160 +0.3


F4 1/600 ISO160 +0.3



富岡光学 TOMINON 6.5mm F1.4

富岡光学 TOMINON 6.5mm F1.4

古くから卓越した光学技術を持つ富岡光学はかつてチノンと協業関係にあり、チノンブランドのレンズを数多く製造している。そんな由来からBellami HD-1に装着してみた。ダブル8のシネカメラであればワイド系の画角であるが、Bellami HD-1に装着するとフルサイズ判に換算して45.5mm相当の標準レンズとなる。解像感が高いうえに色乗りもよく、富岡光学らしい隙のない秀逸な描写である。(製造年代1950年代)






F1.4 1/4000 ISO160 +0.7
F2 1/4000 ISO160 +0.7


F2.8 1/2500 ISO160 +0.7
F4 1/1000 ISO160 +0.7


ケルン Swittar 13mm F0.9

ケルン Swittar 13mm F0.9

ケルン(Kern-Paillard)はスイスの光学機器メーカー。このSwittar 13mm F0.9は、市販されたカメラ用交換レンズとしては世界最高の明るさを誇る。製造開始は1950年代後半。開放での描写は柔らかくハロや非点収差も発生しやすいが、1段絞るだけで描写特性が格段に増すのも特徴。絞っていくと、それに合わせて被写界深度目盛りにオレンジ色のドットが現れるのは、Swittarならではのギミックだ。(製造年代1950年代)








F0.9 1/8000 ISO160 +0.3
F1.4 1/6000 ISO160 +0.3



F2 1/3500 ISO160 +0.3
F2.8 1/1700 ISO160 +0.3


F4 1/850 ISO160 +0.3


チノン CHINON 4mm F1.2

チノン 4mm F1.2
*オールドレンズではなく、Bellami HD-1にキットとして付属するレンズ。

Bellami HD-1にキットとして付属するレンズ。フルサイズ判換算で28mm相当の画角が得られる。最新の光学系を用いているためか開放絞りからキレがよく、コントラストも上々。古いレンズで見受けられるハロや非点収差もよく抑えられている。ディストーションは強めだが、画角を考慮すれば致し方ないところだろう。まずはこのレンズから“Dマウント沼”に入り込むのも悪くない。








F1.4 1/10000 ISO160
F2 1/5000 ISO160 +0.7


F2.8 1/3000 ISO160 +0.7
F4 1/1200 ISO160 +0.7

モデル:水星マキ
ブログ:
http://ameblo.jp/maki-mizuho/


<メーカーサイト>
チノン:
http://chinon.co.jp/
製品ページ:
http://chinon.jp/bellami/

前回の機能編はこちらから




 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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