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被写体&シーン別デジタル写真撮影術

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被写体&シーン別
デジタル写真撮影術
撮りたいイメージがあるのに、どうもうまくいかない。。
カメラ任せで撮ってきたけど、撮れた写真を見るとなんとなく違う気がする。。。このコーナーでは、そんなビギナーに向けて、写真家 岡嶋和幸が、被写体別、シーン別に撮り方の極意を分かり易くレクチャーします。
公開日:2014/07/31

SCENE 2 「昆虫」の撮り方

photo & text 岡嶋 和幸

100ミリマクロ 絞り優先オート(F2.8、1/125秒) ー0.7EV ISO200 WB:太陽光 シングルAF

自然の中でたくましく生きる
昆虫たちの姿を撮影しよう

昆虫に近づくと、ほとんどの場合はすぐに逃げてしまいます。近づかないと小さな昆虫をアップで写すことはできません。このあたりは昆虫の生態などを知ることでカバーできたりしますが、望遠マクロレンズを使用することで、標準マクロレンズより離れてもアップで写すことができます。

マクロレンズを使ったクローズアップ撮影では被写界深度が極端に浅くなるため、絞りの開けすぎには注意しましょう。じっとしていない昆虫は少し動いただけでピンぼけになってしまいやすいです。また、昆虫の目にしっかりとピントが合っていても、体がぼけすぎて何だかよくわからなくなってしまうことがあります。絞りを開けなくても背景は十分にぼけるはずです。見せたい部分がシャープに写るよう状況に応じてアングルを変えたり、絞りを絞りましょう。

シャッターチャンスへの対応やピントの確実性を高めるには連続撮影が有効です。また、クローズアップ撮影では手ぶれが起こりやすいのでISO感度はオートが便利ですが、被写体ぶれ防止に必要なシャッター速度までカバーできるとは限りません。状況に応じて手動で適切なISO感度に設定しましょう  


【Checkpoint】
:望遠マクロレンズが便利 少し離れたところからアップで撮れるので昆虫の撮影では有利です

:ピントは目に合わせよう 生き物は目にピントを合わせるのが基本です

:ISO感度はオートにしよう 被写体ぶれを防止するときは手動で高感度に設定しましょう

:たくさんシャッターを切ろう 昆虫はじっと待っていてくれないのでどんどん撮りましょう

:昆虫のことを知っておこう 昆虫の生態などを知っておくことで効率よく撮影できます


ピントは目にしっかり合わせよう
生き物の撮影では「目」にピントを合わせるのが基本で、昆虫も例外ではありません。表現として意図的にほかの部分にピントを合わせることもありますが、それ以外は目にピントが合っていないとピンぼけとなります。
100ミリマクロ 絞り優先オート(F5.6、1/250秒) 
+0.7EV ISO800 WB:オート シングルAF



とまっている花の色で華やかに
いまひとつパッとしない昆虫でも、花などとまっている場所が色鮮やかで魅力的ならフォトジェニックな仕上がりになります。
100ミリマクロ プログラムオート(F8、1/125秒) 
+0.3EV ISO200 WB:オート シングルAF


動きを追いながらたくさん撮ろう
被写界深度が極端に浅くなるので、昆虫がちょっと動いただけでピンぼけになってしまいます。ピントが合ったら連続撮影をするなど、昆虫の動きを追いかけながらたくさんシャッターを切りましょう。
100ミリマクロ 絞り優先オート(F2.8、1/500秒) 
+0.7EV ISO200 WB:オート シングルAF

【Step up】

昆虫たちのしぐさや表情をとらえてみよう
昆虫は私たち人間のように顔ではっきりとした表情を見せることはありませんが、同じ生き物なので感情があり、表情もあるように思います。それはしぐさや行動に現れることもありますし、そのように見えているだけなのかもしれません。想像力を働かせながら昆虫たちのちょっとしたしぐさや表情を狙うことで、見た人が思わず笑みを浮かべ
るようなステキな写真に仕上げることができるでしょう。

岡嶋和幸(おかじま かずゆき)

1967年福岡市生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「ディングル」「風と土」のほか著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」「潮彩」「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」「九十九里」「風と土」「海のほとり」などがある。
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  2014/07/09
SCENE 1 「海」の撮り方