1992年アリゾナ、テキサス

テキサス州・ストックヤード
キヤノン EOS-1 100-300mm F4.5-5.6 コダック TRX-400

なぜアメリカが好きなのか。その理由は幼少時代にあります。私の両親は牛乳販売業を営んでいてたくさんの若い従業員がいました。そのせいかビーチ・ボーイズやポール・アンカなど、当時ヒットしていたアメリカンポップスがラジオやステレオから絶えず流れていました。
テレビで『わんぱくフリッパー』や『ローハイド』などアメリカのテレビドラマを一緒になって観ていました。子供心にも「アメリカ人はカッコいいし、美味しそうなものを食べていていいなあ」と映りました。
ある意味「アメリカは素晴らしい先進国」という刷り込みだったのかも知れませんが、私は成長するにつれてアメリカに憧れを抱くようになって行きました。
はじめて行ったアメリカはサンフランシスコ。その後ロサンゼルス、ニューヨークにも行きました。80年代は雑誌などの影響でロサンゼルスなどの西海岸は若者たちの間ではブームでした。私もそのブームに乗った一人でした。
「現在でもアメリカにはまだカウボーイがいる」私の中では彼らはもはや映画の中だけで、現代には存在していないと思い込んでいました。この事実をあるカウボーイ写真集の撮影年月日を見るまでは知りませんでした。そのカウボーイたちはまさに映画の中のヒーローのように凛々しくカッコよく、澄んだ瞳に魅了されてしまいました。
「撮ってみたい」そう思いましたがアメリカのどこに行けばいいのかまったく分かりませんでした。もちろん『カウボーイに会いに行く旅』などというガイドブックはありません。 その後、多くの伝手を辿ってアリゾナの牧場に行けばカウボーイが働いることが分かり、それをきっかけにテキサス州ストックヤードという小さな町にはロデオ会場があることも確認できました。 そこまで分かれば「行けばなんとかなる」と思い、私はアメリカへ旅立ちました。1992年、結婚したばかりの妻を連れて。34歳の夏でした。


テキサス州・コーパスクリスティ
キヤノン EOS-1   28-70mm F3.5  コダック PKR-64


アリゾナ州・ツーソン
キヤノン EOS-1  28-70mm F3.5  コダック TRX-400  


アリゾナ州・ツーソン
キヤノンEOS-1 28-70mm F3.5  コダック TRX-400

アリゾナの牧場では宿泊設備もあって、そこで働いているカウボーイたちに交渉して撮らせてもらいました。乗馬して町のバーに行くツアーに参加した時のエピソードですが「飲酒は違反にならないのか」と尋ねたら「ビール二本までなら大丈夫！」と即答されました。その真意は謎ですが（笑）。 テキサスではたまたまロデオ会場で映画のロケが行われていて、近隣のカウボーイがエキストラで大勢集まって来ましたから被写体にはこと欠きませんでした。白人至上主義と聞いていましたが、日本人が珍しいのか皆さんとても親切でした。




テキサス州・ストックヤード
キヤノン EOS-1  28-70mm F3.5   コダックPKR-64


アリゾナ州・ツーソン
コンタックスT2 ゾナー38mm F2.8


テキサス州・ストックヤード
キヤノン EOS-1  EF100-300mm F4.5-5.6  コダック TRX-400


テキサス州・ストックヤード
キヤノン EOS-1  EF100-300mm F4.5-5.6   コダック PKR-64


アリゾナ州・ツーソン
キヤノン EOS-1  EF35mm F2  フジフイルム プロビア100


テキサス州・コーパスクリスティー
キヤノン EOS-1  EF100-300mm F4.5-5.6  フジフイルム プロビア400

＜野寺治孝の使用カメラ＞

キヤノン EOS-1
35mmAFフィルム一眼レフカメラ
発売年月：1989年(平成元年)9月
マウント：EFマウント
使用電源：6Vのリチウム電池2CR5型1個
動体予測のAIサーボの機能を持つAFセンサーを搭載した、EOSシリーズの最高機種。