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イベントレポート

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イベントレポート
公開日:2022/11/17

個性的なカメラが集う「第2回上野クラシックカメラ博」、週末はジャンクセールも開催

Text & Photo:関根慎一
東京・上野にある松坂屋上野店において、「第2回上野クラシックカメラ博」が開催中だ。期間は2022年11月22日(火)まで。主催は写真機商振興会。今回は中古カメラ店や用品メーカー合わせて12社が参加しており、19日(土)と20日(日)にはジャンク品のカメラやレンズのセールも実施する。

開催初日は会場となる松坂屋上野店前に100人程度の待ちが出ており、開場直後から多くの来場者で賑わった。ここでは出店12社の商品からいくつかをピックアップして紹介する。

※掲載した商品は、取材時にイベント会場に並んでいたものです。既に販売済みの可能性もございますことをご了承ください。
※価格はすべて税込みとなっています。


ローライコードVb(ケース付)77,000円
日東カメラ


ローライフレックスの廉価版として発売された6×6判の二眼レフで、ローライコードVbはその最終モデル。撮影レンズはクセナー75mmF3.5。内部機構をローライフレックスよりも簡略化した一方で、絞りとシャッタースピードを連動させたライトバリュー連動式の露出機構の採用や、ピントノブの位置変更など継続的な改善が施されており、後の日本製二眼レフの設計にも影響を与えたといわれている。


ライカM6(ブラック、元箱付き) 318,000円
大塚商会


亜鉛ダイキャストボディや内蔵TTL露出計を採用したレンジファインダーカメラで、M型ライカの中でも特に人気がある製品。2022年11月には光学系パーツのコーティングや距離計などを改善した復刻モデルも登場した。

ファインダー倍率は0.72倍で28〜135mmまで対応するブライトフレームを搭載しており、広角レンズ装着時のストリートスナップにも適している。露出計の電源には現在でも容易に入手できるSR44を採用。


(左)ニコンFE2 28,000円 + GNニッコール 45mmF2.8 25,000円 / (右)コニカオートレフレックスT3 15,000円 + ヘキサノンAR 50mmF1.4 10,000円
スズキカメラ商会


FE2は、1/4,000秒の高速シャッターやTTL自動調光機能を搭載して1983年に発売された一眼レフカメラ。絞り優先AEとマニュアルのみのシンプルな露出操作で、現在ではフィルムカメラの入門機としても一定の支持を得ている。

オートフレックスT3は、シャッター速度優先AEを備えた「コニカFTA」をベースに、アイピースシャッターや多重露光など各種機能を追加したモデル。1973年発売。当時の従来機よりもレリーズのストローク(レリーズが切れるまでの深さ)を浅くするなど細かな点で改良が図られている。

コダックレチナIIIC 45,000円
ハヤシ商事


いわゆる"大窓"と呼ばれるレンジファインダーを備えた蛇腹式の折りたたみカメラ。1958年発売。標準では50mmレンズを装備しているが、レンズ前群の交換を行うことで、焦点距離の切り替え、実質的なレンズ交換が可能となっている。出品された個体はレンズにクセノン50mmF2を搭載したモデル。35mm、50mm、80mm用のブライトフレームを内蔵。

よく似た名前の「レチナIIIc」と「レチナIIIC」が存在するが別の機種。ファインダーの窓が大きく右肩のセレン光電池式露出計が目立つのがレチナIIIC。


(左)富士フイルムKLASSE S 195,000円 / (右)コニカBiGmini BM-301 28,000円
カメラのヤマゲン


KLASSE Sは、プログラムAEやAEブラケティング機能などを搭載した高級コンパクトカメラ。2007年発売。「低価格で高画質な写真を手軽に撮れるカメラ」をコンセプトとして開発された。レンズは38mmF2.8。堅牢さと小型軽量を兼ね備えたアルミ/マグネシウム合金を採用しており、手軽に持ち出せる軽快さと高画質で今なお人気を集めるモデルとなっている。

BiGmini BM-301は、沈胴式の35mmF3.5レンズを備えたフラットでシンプルな外観が特徴。1992年発売。無限遠にピントを固定できる遠景モードを備えるほか1.5段までの露出補正に対応する。


チノン ベラミ(ストロボ付) 25,800円
矢倉カメラ商会


観音開きの個性的なレンズバリアを備えたコンパクトカメラ。1980年発売。レンズは35mmF2.8。フラッシュを外付けとし、モータードライブなどの電動部品を搭載しておらず、機能はシンプルに抑えられているが、ハーフサイズカメラ並みのコンパクトさが特徴となっている。シャッタースピードは1/1,000秒まで対応する。出品された個体にはグレーのスエード貼り革が張られている。

巻き上げレバーを戻すとレンズバリアが閉じる。


ゼンザブロニカETRS + ゼンザノンE II 75mmF2.8(現状渡し) 33,000円
カメラのゴゴー商会


6×4.5cm判のレンズシャッター式一眼レフカメラ。1978年発売。ブロニカETRマウントを採用。中判カメラとして絞り優先AEを利用するため、電子シャッターを搭載している。これに伴いファインダーやフォーカシングスクリーンが交換式となった。シャッタースピードは1/500秒まで対応。ETRSではETSシリーズ従来モデルの機構や操作性を改良している。


ニコンF(最後期型) 154,000円
セキ写真


1959年、ニコン初の一眼レフカメラとして発売。高い堅牢性が評価された。Fマウントを初めて採用した機種であり、露出計は非搭載だが、ファインダーの交換により露出計の追加やTTL測光などが可能になった。出品された個体は左肩に「Nikon」と銘打たれた後期型。

EOS-1 N RS 31,500円
ワカイカメラ


キヤノン製AF一眼レフカメラのフラッグシップ機として1995年に発売。極薄ペリクルミラーを搭載し、10コマ/秒の高速連写や5点測距に対応するなど、当時としては最高峰の性能を備えたモデルとなる。アクセサリ類は前年発売の「EOS-1」と共通。EFマウントを採用するため、近年の交換レンズを装着することもできる。


オリンパスPENシリーズ
ペンギンカメラ


1959年に発売した「PEN」をはじめとしたハーフサイズカメラシリーズ。35mmフィルムを使用し、通常の2倍の枚数が撮影できる。小型軽量なボディに扱いやすい機構、入手しやすい価格などからハーフサイズカメラの流行をけん引した。代を追うごとにプログラムEEや内蔵露出計、より明るいレンズを搭載するなど、便利な機能が追加されている。

写真左の「PEN-D」は、32mmF1.9の大口径レンズや1/500秒の高速シャッターなどを装備して1962年に発売した高級モデル。


【新製品・新品】LIGHT LENS LAB M 35mm f/2 ブラック 165,000円 / シルバー 155,000円
焦点工房


既存の「LIGHT LENS LAB M 35mm f/2」を元に、沈胴式に再設計されたレンズ。沈胴式で開放絞りF2の大口径レンズとなる。上野クラシックカメラ博が本機を購入できる初めての機会となる。


蔵 CURA
ローライ(Rollei)、ベルゲール(Bergger)、シネスティル(Cinestill)、コスモフォト(KOSMO FOTO)のフィルムを販売。中でもシネスティルの「800T 135-36」は、色温度の低いタングステン照明下での撮影時にホワイトバランスを合わせる目的で使用されるフィルム。今回販売している中では唯一のカラーネガフィルムとなる。それ以外はモノクロネガフィルム。

カメラファンスタッフがテンション爆上がりの珍品


ゼニット フォトスナイパー 16,500円
日東カメラ


旧ソビエトのクラスノゴルスク機械工場(KMZ)が擁するゼニットブランドの製品。ストックを備えた銃のように構えて撮影できる。レンズはM42マウントの300mmF4.5で、これにゼニット122カメラボディを装着し、ピストルグリップと銃床を取り付けて使用する。

19日(土)と20日(日)限定で、各店が持ち寄ったジャンク品のセールを実施する。




<開催概要>
第2回 上野クラシックカメラ博
会期:2022年11月16日(水)〜22日(火)
開催時間:10:00〜19:00(最終日は16:00閉場)
会場:松坂屋上野店 6階催事場
東京都台東区上野 3丁目29番5号
https://www.matsuzakaya.co.jp/ueno/topics/006221116_2.html
入場無料、ただし混雑状況により入場制限と入場整理券の配布を実施

主催:写真機商振興会
後援:ワールドフォトプレス
イベント情報:https://camerafan.jp/cc.php?i=880
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