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中古カメラ 一期一会

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中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出合えないかもしれない。全国のカメラ店と店頭で出合った魅力的なカメラたちを紹介する。
公開日:2013/05/07

ライカ&ツァイス&フォクトレンダー 銀塩カメラのスタイルに惚れる!@アカサカカメラ

photo & text 大浦タケシ
取材協力:アカサカカメラ

今回は、1年前に赤坂から入谷に移転されたアカサカカメラにお邪魔しました。大浦さんがセレクトした「とにかく一目惚れしてしまう美しい銀塩カメラ」をご覧下さい。きっと物欲だけでなく写欲が沸いてくるはずです。


ライカM6+ビゾフレックスIII+テリート280mmF4.8

ミラーを内蔵するビゾフレックスは、レンジファインダーライカを一眼レフとして使うアクセサリーだ。ボディ単体では不可能であった、望遠撮影やマクロ撮影が楽しめるようになる。ビゾフレックスにはI型、II型、III型があり、本モデルは最終型となるIII型(前期タイプ)。スプリングが内蔵されており、シャッターアームを押し込むと一眼レフ同様ミラーが跳ね上がるのが特徴だ。全ての撮影をレンジファインダーライカで完結したいひとは注目のアクセサリーだ。



ライカM3+ビゾフレックスII+ライカアダプターOUBIO+テリート200mmF4

ビゾフレックス用Lマウントテリートと垂直ルーペを装着したビゾフレックスII。ビゾ用Lマウントレンズは、ライカアダプターOUBIOを介せばこのようにMマウントであるII型とIII型にも装着できる。II 型の発売開始は1959年。特徴的なシャッターアームもこのII型から備わるようになった。シャッターレリーズ後のミラー復帰は、側面のレバー操作で行う。テリート200mmF4はライカの長い歴史のなかでは比較的新しいレンズ。1959年に発売が開始され、マイナーチェンジを繰り返しながら84年まで製造された。



ライカIIIg+ビゾフレックスI+へクトール125mmF2.5

戦前からあるテリートボックスを進化させたのがビゾフレックスIだ。製造初年は1951年。その特徴と言えば、後継モデルであるII型およびIII型と異なり、シャッターアームを持たないことだろう。代わりとして専用のレリーズを用いる。掲載したアイテムには、純正の連結レリーズが付属する。ビゾフレックスは装着に手間がかかるものの、正確なピントとアングルで撮影したい場合は重宝するアクセサリーだ。装着するヘクトールはドイツ製の初期タイプのもの。

ビゾフレックス関連品を探してみる



ツァイスイコン+プラナーT*50mmF2 ZM

ツァイスイコンは、Mマウントを採用する国産レンジファインダー機。ライカをはじめ様々なレンズで撮影が楽しめ、75.0mmもの長い基線長と絞り優先AEの搭載を特徴とする。先頃製造を完全に終了したが、状態のよいものを探すなら、今でしょ。プラナーは1897年カールツアイスのレンズ設計者だったパウル・ルドルフが発明した写真用レンズ。本レンズは、そのMマウント版で、コシナが持つ最新の光学技術でつくられる。掲載したアイテムは新品。






フォクトレンダービテッサL

観音開きのレンズバリアと、ボディから煙突のように伸びたプランジャーが特徴的なフォクトレンダーの35mmスプリングカメラ。ブランジャーはフィルム巻き上げを行うもので、押し下げると巻き上がる。1957年に発売の開始されたビテッサLは、観音開きを採用する同モデルの最終型で、セレン式の露出計を内蔵するなど完成度は高い。掲載したカメラは明るいウルトロン50mmF2を搭載するビテッサLの上位モデルである。





トプコンスーパーDM+RE GNトプコールM 50mmF1.4

スーパーDMは1973年に発売されたカメラで、オートワインダーを標準装備する。もともと重量級のボディだが、ワインダーの装着でさらに重いカメラに仕上がる。直線を基調とするボディシェイプに相反するような円柱状のグリップは中途半端な長さに思えるが、カメラ前面部にあるシャッターボタンを押しやすくするための工夫だ。レンズは、フラッシュ撮影時にガイドナンバーをセットしておくと、被写体との距離に応じて絞り値の変わる機能を搭載している。





ホライゾン202

35mmフィルムを使用するパノラマカメラ。ボディ中央にあるレンズが左右に首を振って露光を行う。カメラボディの左右を持って撮影すると指が写りこんでしまうため、下部のグリップを握って撮影を行うのがこのカメラのお約束となっている。ホライゾン202の製造初年は1989年。回転速度は高速と低速から選べるほか、クリアで見やすいファインダーも特徴とする。プラスチック製でチープなつくりだが、その分、手軽にパノラマ撮影を楽しめるカメラだ。





ベル&ハウエル・ダイヤル35-2

1968年にキヤノンから発売された「ダイヤル35-2型」の米国ベル&ハウエル社へのOEM版だ。当時日本のカメラメーカーは欧米でのブランド力が現在ほどなく、販路を拡大するうえからも代理店や商社などの名前をカメラに冠することが少なくなかった。同様のものとしてはトプコンがベセラー社に、ペンタックスがハネウエル社に供給した例がよく知られている。ダイヤル35-2自体はハーフサイズであることと、スプリングモーターによるフィルム巻き上げで人気を博した。




取材協力:アカサカカメラ

(アカサカカメラ)
アカサカカメラは、東京メトロ日比谷線・入谷駅から言問通りを浅草方向に5分ほど歩いたところにあるショップ。現在の場所に移転してから1年ほど経つが、まだ新しさの残る店内にはライカやハッセルなどの海外ブランドからニコン、キヤノンといった国産ブランド、また珍しいブランドのカメラ、レンズが多数並ぶ。デジタルカメラの中古も展示されており、その品揃えは飽きることがない。浅草や上野も近く、撮影のついでに立ち寄ってみたいショップである。

ショップウェブサイト
ショップ紹介ページ
Twitter:@AkasakaCamera


スタッフ川越さんインタビュー
「赤坂から入谷駅近くに越してきて1年余りとなりますが、新しいお客さまも増え、より充実した品揃えを心がけるようにしています。ライカや国産有名ブランドなど偏りなく揃えるとともに、面白いものや毛色の変わったものなども置くようにしています。最新の入荷はTwitterやウェブサイトでもお知らせするようにしていますので、ぜひそちらも見て頂くようお願いいたします」


(取材日:2013年4月26日)
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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