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The Best LENS 〜このボディで使いたいレンズ!〜

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The Best LENS 〜このボディで使いたいレンズ!〜
「どのレンズを選ぶべきか・・・?」
それは写真を制作する者にとって永遠の課題であり、撮影に出かける前に毎回悩むところ。悩みぬいた末に「うーん、やっぱり標準ズームレンズで」なんて優柔不断になっていませんか?そんな貴方に、赤城耕一がカメラのボディごとにベストチョイスとなるレンズをご紹介します。
公開日:2013/12/02

パナソニック DMC GX7 + シグマ 60mm F2.8 DN

photo & text 赤城耕一
パナソニックDMC GX7 シグマ 60mm F2.8 DN

シグマの新しいプロダクトラインの可能性

シグマはご存知の通り、交換レンズを主力商品としたレンズメーカーである。昨今はSD-1MerillとかDP Merillシリーズを発売し、その高性能ぶりが話題になっているけれど、これも各種交換レンズ販売のためのシナジー効果的な役割を担っている面もあると思う。シグマはその昔、一眼レフ購入の時のキットレンズ販売で先鞭をつけたことでも有名だが、価格の安さから人気があった。ただ、コスト面の問題なのだろう写りは同スペックの純正レンズと比較して遜色はないのに、どうしても一段下に見られがちであった。正直に言って、鏡胴のデザインや仕上げがいまひとつだったということも理由としてあると思う。
ところが最近のシグマは変わった。すべての交換レンズをContemporary、Art、Sportsの3つのプロダクトラインに集約し、それぞれに製品の特性を持たせた。Artラインシリーズの定義は、あらゆる設計要素を最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発、圧倒的な描写性能を誇るということ。純正レンズとの描写比較を論じるのがイヤになるほどである。

私自身、ここのところマイクロフォーサーズシフトを行っている最中だが、オリンパスOM-D EM-1を筆頭にペンE-P5、そしてパナソニックのDMC GX7、話題のGMも戦力となった。とくにGX7は、フラットタイプのミラーレスカメラとしては、機能が突出しており、お気に入りの一台であるが「なんかパンケーキレンズをつけとけば似合うのでは」というのはステレオタイプな思想である。いま、あれこれと各種のフォーサーズ、マイクロフォーサーズマウントのレンズを試している。


そして、パナソニックDMC GX7 で使いたい1本のレンズ・・・
シグマ 60mm F2.8 DN

そこで見つけました。このシグマ 60mm F2.8 DNは印象的な写りをする高性能レンズとして高く評価している1本なのだが、これがGX7になかなか似合う組み合わせである。広角好きな私も、最近ではトシ喰ってきたせいか、街中のスナップでも中望遠レンズの視角でモノを注視したいと思うことがある。
仕様は35ミリ判換算で120mm相当の中望遠画角として使えるので私の目的にぴったり。レンズ構成は6群8枚。最短撮影距離は0.5m。7枚羽根の円形絞りで光源のボケは自然。特別な大口径でもなく、取り立ててスペックに派手さや特徴があるわけではないが実写して驚いた。合焦点のソリッドな描写はこのクラスのレンズ唯一無二と言ってよいものではないか。絞りによる性能変化は認められない。

製品そのものがArtとなったシグマ


加えて鏡胴の仕上げが鏡面のような金属仕上げで美しいことも特徴。マウント部も金属製。価格は低廉で求めやすいけれど、Artラインにふさわしい秀逸な製品だと思う。はっきり言っておきますが、マイクロフォーサーズ機をお使いの方はこのレンズを使わないと損します。なに? 標準ズームレンズを持っているから焦点域が重なるからイラナイ? 冗談ではないですよ。このレンズをそのへんの標準ズームと比較してもらっては困ります。

レンズ外装のカラーはシルバーとブラック、好みで選べる。金属鏡胴は何の凹凸もなくて無機的な感じ、しかもレンズ全面の文字に白塗装が入っていないのは写り込みを避けるためだと思う。いずれも写りに対する信頼感を増している感がある。これに対して、フードがプラスチック製なのは残念な点。


昼下がりの飲食店街のバー入り口。深夜には気づかなかったオブジェが眩しい太陽光にて姿を現わした。合焦点のシャープネスはもとより、汚れたガラスの再現性とか、アウトフォーカス部分のカーテンの再現もいい。パナソニックDMC GX7 シグマ 60mm F2.8 DN 絞りf8 AE AWB ISO400 RAW  -0.7補正

<メーカーサイト>
シグマ 60mm F2.8 DN
http://www.sigma-photo.co.jp/lens/dn/60_28_A013/

パナソニック DMC GX7
http://panasonic.jp/dc/gx7/

カメラファンで「シグマ 60mm F2.8 DN 」を検索してみる
 
赤城耕一
東京生まれ。出版社を経てフリー。エディトリアルやコマーシャルの撮影のかたわら、カメラ雑誌ではメカニズム記事や撮影ハウツー記事を執筆。戦前のライカから、最新のデジタルカメラまで節操なく使い続けている。

主な著書に「使うM型ライカ」(双葉社)「定番カメラの名品レンズ」(小学館)「ドイツカメラへの旅」(東京書籍)「銀塩カメラ辞典」(平凡社)

ブログ:赤城耕一写真日録
 
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