新製品レビュー
公開日:2017/12/19
イメージビジョンの円形ソフトボックス「SUNDISC」でワイヤレスライティング
Photo & Text イルコ・アレクサンドロフ
model: 竹下智穂(アライブエンタテインメント)
イメージビジョンから発売となった円形ソフトボックス「SUNDISC」を光の魔術師イルコ・アレクサンドロフがレビューする。 今回使用したアイテムは・・・円形ソフトボックス「SUNDISC」 SUNDISCは、Approach Design Studio 社(スウェーデン)製の円形ソフトボックス。直径約60cm。軽量で素早く折りたため、セットアップが簡単。付属の専用ポーチに収納時にはわずか直径24cmになる。シルバーとゴールドのリバーシブルになっており、レフ板としても使用可能。直径15cmのストロボブラケットにも固定することができ、オフカメラライティングでのポートレート撮影に活躍するアイテムだ。 【製品スペック】
SUNDISC(サンディスク)
大きさ使用時:直径約60cm、奥行き:約10cm
収納時:約24cm径 重さ:430g(ポーチ含む)
希望小売価格:10,500 円(税別)
取扱い:イメージビジョン
内張りはゴールド/シルバーのリバーシブル チャックを開けて、内張りのゴールド面とシルバー面を入れ替えることで、ストロ
ボの反射光の色を変えることができる。
捻って折りたためば、直径24cm のコンパクトサイズになり持ち運びに便利。
開いた状態のボリューミーな外観からは想像できない小ささ。
SUNDISCのセッティング VIDEO 操作は、丸レフと同じ。ケースから出してパッと一瞬で開くことができる。 収納時も捻ってまとめる動作は、丸レフと同じ。
【オフカメラライティングの使用機材】 今回、SUNDISCに装着して使用したのは、レシーバーを内蔵したカクタスの最新クリップオンストロボRF60X。同じくカクタスのV6 II をカメラに装着してリモート発光させている。 【SUNDISCでワイヤレスライティング】 Scene1 SUNDISC をゴールド面で発光させて青い世界をつくる キヤノンEOS-1D X シグマ135mm F1.8 DG HSM | Art
f1.8 1/50 秒 ISO320 WB: マニュアル RAW
アドビ システムズAdobe Photoshop CC
このシーンはビルが背後に見える街路で夜に撮影した。私がよく撮影している2灯ライティングだ。手前側のストロボにはSUNDISC を装着している。SUNDISCのゴールド面を使ってオレンジ色の光を発光して、ホワイトバランスを白側にシフトすると背景が青色になる。SUNDISCを使うとソフトボックスとオレンジフィルターの効果を一度に得ることができる。背後のストロボはモデルのエッジ出しに使用している。通常のストロボ光の色温度5600Kが、ゴールド面を使うと1600Kぐらい下がるのでホワイトバランスは4000K に設定。夜景撮影の際に青い世界観を作ることによって、モデルと背景との間におもしろいバランスが生まれる。 私のライティングの基本は、モデルの前方斜め45度からの光。ほとんどの撮影で斜め45度からスタートして、シチュエーションによってそこから調整していくこともある。柔らかい光が欲しい時はモデルから離したり、もうちょっとドラマチックな光が欲しい時は、さらに横に動かしたり。ストロボはモデルの顔よりも少し高い位置から、モデルの顔にヘッドを向けて発光させる。 Scene2 夕日の逆光をバックに日中シンクロ [撮影データ]キヤノンEOS-1D X シグマ135mm F1.8 DG HSM | Art f1.8 1/400 秒 ISO50 WB: マニュアル RAW アドビ システムズAdobe Photoshop CC
夕日でのポートレート撮影にも、SUNDISCはとても役に立つ。通常のソフトボックスを装着するとストロボの光量は2段ぐらい落ちるが、SUNDISCでは1段と少々なので、ストロボのパワーをセーブすることができる。このシーンでは開放f1.8で撮影することで、木々の間からこぼれた逆光状態の太陽が玉ボケを作ってくれた。SUNDISCの斜め45度手前からのライティングで、モデルが立体的に描写されている。まずは背景を好みの露出に設定した状態で、SUNDISCを付けたストロボで、モデル正面の明るさをコントロールする。ここでは極端な色みは必要ないと判断したので、SUNDISCはシルバー面を使用した。 夕日の差した夕方の公園で撮影。135mmでひざ上を横位置で切り取った。SUNDISCはここでも斜め45度の位置に設定。モデルの顔より少し上の高さから発光させている。 Scene3 SUNDISCの丸い光を活かしキャッチライトを入れる [撮影データ]キヤノンEOS-1D X シグマ135mm F1.8 DG HSM | Art
f1.8 1/200 秒 ISO50 WB: マニュアル RAW アドビ システムズAdobe Photoshop CC
経験上、モデルの顔をアップで撮る時には、四角いソフトボックスよりも丸いアクセサリーを使った方が顔にきれいな光が当たる。特にモデルの目をズームして見た時に、キャッチライトが丸い形になっていると自然できれいに見える。そのため、SUNDISCはアップでの撮影にも有効なアクセサリーだ。アップで撮る際にストロボをモデルからどれだけの距離に設定するかというと、私は基本的にフレームのギリギリ外に設定することが多い。SUNDISCの丸い柔らかい光を最大限に活かしたいので、見切れない範囲でできるだけモデルに近づけるようにしている。被写体に近づけることで、光の質も柔らかくなる。近づけると光が硬くなるというイメージがあるが、実際はその逆。試しにカメラの露出を固定した状態で、同じ強さの光がモデルに当たるように調整して、ストロボとモデルの距離を変えてテストしてみてほしい。 ストロボのポジション
Studio Shooting-------------- VIDEO SUNDISCを使ってスタジオにて撮影
After Shooting-------------------- 編集部:SUNDISC を使用をした印象はいかがでしたか? イルコ:軽くて小さいから持ち運びやすい、そして丸いからキャッチライトがきれいですね。編集部:SUNDISCと四角いソフトボックスの違いは? イルコ:四角いソフトボックスと比べて、光は柔らかいよね。どんな光の形が欲しいかによって、ソフトボックスは使い分けるべき。硬い表現が欲しい時は、カクタスCB-60Wのようなグリッドがあるボックスを使うし、柔らかい表現にしたい時、特に人をアップで撮る時には、SUNDISCを使いたいね。それぞれ表現が違うので、自分の撮りたいイメージによって選んだらいいと思うよ。編集部:今回は、屋外でSUNDISC+クリップオンストロボ1 灯でした。 イルコ:SUNDISC2灯で上と下、左右で挟み込むと、さらに柔らかい光が作れるんだ。この製品だけでなく、ライティングのアクセサリーはたくさんあるから、自分の作りたい世界観、表現したい画をイメージして、それにあった機材を選んでほしいな。モデル: 竹下智穂(アライブエンタテインメント) <メーカーサイト> イメージビジョン株式会社 SUNDISChttp://www.imagevision.jp/products/sundisc.html